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人的資本経営とは・・・ 人的資本経営の進め方をわかりやすく解説!

人的資本経営とは、企業が社員を単なる労働力としてではなく、重要な資産(人的資本)として捉え、彼らのスキルや知識、経験を最大限に活かして組織全体の価値を高める経営手法です。
従業員の潜在能力を最大化し、それを組織全体の成長や競争力強化に結びつけ、持続可能な成功を確実にする経営のことをいいます。

人的資本経営が求められる背景

人的資本経営の必要性
「人的資本経営」が求められる背景には、いくつかの重要な要因があります。これらの要因は、経済のグローバル化、技術の進歩、労働力の多様化など、現代のビジネス環境における変化を反映しています。

1. 経済のグローバル化
経済のグローバル化が進む中で、企業は国際的な競争力を維持するために、優れた人材を確保し、育成する必要があります。人的資本経営により、企業は人材の多様性を活かし、異文化理解を深めることで競争優位性を築くことができます。

2. 技術の進歩
人工知能(AI)や自動化技術の進展により、単純作業は機械に代替される一方で、創造性や問題解決能力を持つ高度な人材の需要が増しています。人的資本経営は、こうした高度なスキルを持つ人材を育成し、維持するための重要な戦略となります。

3. 労働力の多様化
労働市場の多様化に伴い、企業は異なるバックグラウンドを持つ人々を活用し、そのポテンシャルを最大限に引き出すことが求められています。ジェンダー、年齢、国籍などの多様性を尊重し、包括的な職場環境を作ることが、企業の成長に繋がります。

4. 社会的責任と持続可能性
企業の社会的責任(CSR)や持続可能な発展が重視される中で、人的資本の充実は企業の信頼性向上や社会的価値の創出に直結します。従業員の働きがいを高め、健康や福祉を推進することが、企業の長期的な成功に寄与します。

5. 労働市場の流動化
労働市場の流動化が進む中で、従業員の離職率を下げるためには、魅力的な職場環境を提供することが重要です。人的資本経営は、従業員のエンゲージメントを高め、企業に対するロイヤルティを向上させる手段として有効です。

6. 知識経済の進展
知識経済の進展に伴い、知識やスキルが重要な資産となっています。企業は、知識の共有と継承、イノベーションの促進を図るために、人的資本の充実を図る必要があります。

これらの背景から、企業は単なる人材管理を超えて、戦略的な「人的資本経営」に取り組む必要があります。これにより、企業は持続可能な成長を遂げ、競争力を強化することが可能になります。

人的資本経営の必要性とメリット

人的資本経営のメリット
人的資本経営の究極のメリットは、企業の持続的な競争優位性を確立し、長期的な成功を実現することです。人的資本経営の必要性とメリットは、相互に密接な関係があり、下記のようなことがあります。

1.イノベーションの創出
従業員の多様なスキルや知識、経験を活用することで、革新的なアイデアやソリューションが生まれやすくなります。これにより、企業は新しい製品やサービスを市場に投入し、競争力を強化できます。

2.競争力の維持・向上
グローバル化と技術の進歩が急速に進む中で、企業は競争力を維持・向上させるために、従業員のスキルと能力を最大限に活用する必要があります。人的資本経営により、優れた人材を育成し、革新的なアイデアやソリューションを生み出すことができます。

3.生産性の向上
従業員が高いモチベーションを持ち、自身の能力を最大限に発揮できる環境を整えることで、業務の効率が向上し、生産性が上がります。結果として、企業の業績も向上します。

4.従業員の定着率向上
従業員が自身の成長やキャリア開発に満足し、企業に対して高いエンゲージメントを持つことで、離職率が低下します。優れた人材を長期間保持することができ、採用コストや訓練コストの削減につながります。

5.顧客満足度の向上
従業員がやりがいを持って働くことで、顧客対応の質が向上し、顧客満足度が高まります。これにより、顧客の忠誠心が強まり、リピートビジネスや口コミによる新規顧客の獲得が期待できます。

6.従業員のエンゲージメントと定着率向上
従業員が会社に対して高いエンゲージメントを持ち、満足感を得ることで、離職率が低下します。これにより、採用コストや新しい従業員のトレーニングコストが削減され、企業は経験豊富な人材を長期間保持できます。

7.組織の柔軟性と適応力の向上
従業員が多様なスキルセットを持つことで、組織全体の柔軟性と変化への適応力が高まります。これにより、市場の変動や環境の変化に対して迅速に対応できるようになります。

8.企業文化の強化
ポジティブな企業文化が形成されることで、従業員の一体感が強まり、組織全体の士気が向上します。強い企業文化は、企業のブランド力を高め、外部からの優秀な人材の引き寄せにも寄与します。

9.財務パフォーマンスの向上
生産性の向上、顧客満足度の向上、従業員の定着率向上などが連鎖的に作用することで、企業の財務パフォーマンスが向上します。これにより、売上や利益の増加、株主価値の向上が実現します。

人的資本経営のメリットは、従業員の潜在能力を最大限に引き出し、それを組織全体の成長や競争力強化に結びつけることで、企業の持続可能な成功を確実にすることです。このアプローチは、短期的な利益だけでなく、長期的な視点から企業の安定と発展を支える基盤となります。

人的資本経営で取り組むべきこと

人的資本経営で取り組むべきこと
人的資本経営は、企業が社員(人的資本)を戦略的に活用し、企業価値を最大化するための経営手法です。このコンセプトは、従業員のスキル、知識、経験、創造性などが企業の競争優位性を高める重要な資産であると認識しています。人的資本経営の主な取り組み事項は下記です。

1.採用と選考
•優秀な人材を見つけ出し、採用するプロセス
•適切な評価基準と方法を用いる

2.育成と教育
•従業員のスキルアップとキャリア成長を促進するための教育プログラムやトレーニング
•継続的な学習と能力開発の機会提供
•育成、スキル・経験など

3.パフォーマンス管理
•従業員の業績を評価し、フィードバックを提供するシステム
•明確な目標設定と成果評価基準の確立

4.報酬と福利厚生
•経済的報酬(給与、ボーナス)と非経済的報酬(福利厚生、職場環境)のバランス
•公平かつ透明な報酬制度の確立
•福利厚生や組合との関係

5.キャリア開発と昇進
•キャリアパスの明確化と昇進の機会提供
•タレントマネジメントとリーダーシップ開発

6.エンゲージメントとモチベーション
•従業員満足度
•従業員のエンゲージメント(仕事に対する積極的な関与)を高める施策
•モチベーションを維持・向上させるための働きかけ・仕組み

7.ダイバーシティとインクルージョン
•多様なバックグラウンドを持つ人材の採用と活用
•包括的な職場文化(差別のない等)の醸成
•育児休暇関連など

8.労働環境とウェルビーイング:
•安全で健康的な職場環境の提供
•労働災害対策
•従業員のウェルビーイング(心身の健康)の促進

9.リーダーシップと組織文化
•リーダーシップ教育
•効果的なリーダーシップスタイルの導入
•コンプライアンス
•人権などの研修を受けた従業員割合、苦情の件数
•ポジティブな組織文化の形成と維持

10.データ活用と分析
•人的資本に関するデータの収集と分析
•データドリブン(判断・アクション)な意思決定のサポート

これらの項目は、企業が人的資本を最大限に活用し、競争力を高めるために不可欠です。また、これらの取り組みを統合的に行うことで、従業員の満足度やエンゲージメントを高め、ひいては企業のパフォーマンス向上につながります。

人的資本経営の具体例

人的資本経営の具体例
人的資本経営の具体例として、下記のような取り組みがあげられます。それぞれの企業がどのように人的資本を最大限に活用しているかを示します。

1.Googleの社員育成プログラム
Google University
Googleは社内に「Google University」を設け、従業員がスキルアップやキャリア開発のための多種多様な研修プログラムに参加できるようにしています。技術的スキルだけでなく、リーダーシップやコミュニケーションスキルを育成するコースも提供しています。
20%ルール
従業員が勤務時間の20%を自分の興味のあるプロジェクトに費やすことを奨励しています。これにより、従業員の創造力を引き出し、新しいアイデアやプロジェクトが生まれやすい環境を作っています。

2.Netflixの企業文化:
自由と責任の文化
Netflixは従業員に大きな自由を与える一方で、高い責任を求めます。厳格なルールや手続きを最小限に抑え、従業員が自ら考え行動することを促しています。これにより、従業員の主体性と創造性を高めています。
オープンなフィードバック
Netflixは従業員同士のオープンで透明性のあるフィードバック文化を推進しています。これにより、従業員が成長しやすい環境を作り出しています。

3.Salesforceのダイバーシティ&インクルージョン
Equality Group
Salesforceは、社内にダイバーシティ&インクルージョンを推進するための専門チームを設置し、多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる環境を整えています。例えば、女性、LGBTQ+、人種・民族の多様性を尊重し、インクルージョンを促進するプログラムを実施しています。
透明性のある報酬制度
ジェンダーや人種に関係なく公平な報酬を提供するために、定期的に給与の平等性を監査し、必要に応じて調整を行っています。

4.Unileverの持続可能なリーダーシッププログラム
Future Leaders Programme
Unileverは将来のリーダーを育成するための包括的なプログラムを提供しています。このプログラムでは、若手社員が多様な業務経験を積み、リーダーシップスキルを磨く機会を提供しています。
持続可能なビジネスの推進
従業員が持続可能なビジネス慣行を理解し、実践できるようにするための教育プログラムを実施しています。

5.Microsoftの学習と成長の文化
Growth Mindset
Microsoftは「成長マインドセット」を企業文化の中心に据え、従業員が失敗を恐れずに挑戦し続ける姿勢を推奨しています。CEOのサティア・ナデラは、学習と成長を重視する文化を築き上げました。
LinkedIn Learning
Microsoftが所有するLinkedIn Learningを活用し、従業員が自由にオンラインコースを受講できる環境を提供しています。

これらの具体例は、企業が従業員を重要な資産と捉え、彼らのスキルや知識を最大限に引き出すための取り組みを示しています。これにより、企業は競争力を高め、持続可能な成長を実現しています。

経営はキャリア豊富な私たちが支援させていただきます!

キャリア豊富なコンサルタント紹介
私たちは、これまで各種経営コンサルティングを通じて、さまざまなキャリアを蓄積しています。
当社コンサルタントのご紹介

■中坊 崇嗣(ナカボウ タカシ)
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■石川 聖子(イシカワ セイコ)
特徴:ヒトの面”と“仕組みの面”から組織強化コンサル
激しい環境変化に対応するために、各種研修・教育をはじめ、人事評価制度構築・運営支援や等級制度構築、福利厚生施策充実支援など、人材育成・人材開発ソリューションや各種制度設計から運営支援など、“ヒトの面”と“仕組みの面”から組織活性化を支援しています。「ポストコロナ」のニューノーマル時代の組織活性化支援も、ソフト面(仕組みと運用面)とハード面(仕組み系と環境整備の面)の両面からの支援で成果につなげています。

■籠谷 千恵美(カゴタニ チエミ)
特徴:現場力コンサル
メーカー・卸企業を中心に販売店政策、業態開発チェーン展開、組織革新・営業革新の企画・開発を始め、リティルサポート活動を推進。 また、その開発現場での経験をもとに、店頭市場の活性化における接客サービスのほか、陳列・ディスプレイおよびPOP、ラッピングなどの「見せて売る」技術研修を、商工会議所を中心に展開する。 また各企業において、人材育成のための新入社員研修をはじめとした接遇、および電話などのマナーアップ・スキルアップ研修を開催。

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キャリア30年以上のコンサルノウハウで伴走支援します!

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当社が提供している人的資本経営の具体的なコンテンツ

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