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御社のカスハラ対策、「何もしていない」状態ではありませんか?

そもそも「カスハラ」とは何か

令和7年6月11日に公布された改正労働施策総合推進法では、カスタマーハラスメントは次の3つの要件をすべて満たすものと定義されています。

1.職場において行われる
顧客・取引先・施設利用者など、事業に関係する者の言動であること
2.社会通念上の範囲を超える
業務の性質等に照らして許容される範囲を超えたものであること
3.就業環境を害する
労働者の就業環境が実際に害されている状態にあること

この3要件がそろって初めて「カスハラ」と法的に認定されます。裏を返せば、この基準に基づいて自社の現状を点検し、必要な体制を整えることが、そのまま法対応の第一歩になります。

なお、正当なクレームとカスハラは明確に区別されます。商品やサービスに落ち度があり、それに対して社会通念上相当な範囲で改善を求める行為は「正当な要求」であり、カスハラには該当しません。線引きが難しいのは、要求の「内容」自体は正当でも、「手段・態様」が著しく不相当な場合(大声での威圧、長時間の拘束、土下座の要求など)です。この「内容は正当でも態様が不相当」というケースこそ、現場任せにせず、会社としての判断基準を用意しておくべき典型例といえます。

事業主に義務付けられる、3つの措置

法改正により、事業主には次の3つの措置が義務付けられます。

義務1
方針の明確化・周知啓発 カスハラを許さないという方針を明文化し、社内外に周知すること。

義務2
相談体制の整備・周知 従業員が安心して相談できる窓口を設け、その存在を全従業員に周知すること。

義務3
事後の迅速・適切な対応 実際にカスハラが発生した際の対応フローと、被害を抑止するための措置をあらかじめ整えておくこと。

この3つは、いずれも「起きてから考える」のではなく「起きる前に備える」ことが前提の義務です。10月1日の時点でこの3つが整っていない場合、法令違反の状態になります。

ここで注意したいのは、この3つの義務は「どれか一つ」ではなく「すべて」を満たす必要があるという点です。たとえば方針は文書化されているものの、社内に周知されていない、あるいは周知はしていても相談窓口が形骸化している、というケースは珍しくありません。
「形だけ整っている」状態と「実際に機能している」状態は別物であり、法対応としては後者が求められています。

「何もしない」ことの、本当のリスク

カスハラ対策を後回しにすることで生じるリスクは、行政対応だけにとどまりません。

・法令違反として指導対象に
義務を怠ると、労働局から助言・指導・勧告の対象になり得ます。
・従業員の離職・休職
被害を受けた従業員が心身の不調をきたし、定着率が悪化します。
・採用・評判への悪影響
対策不備が知られれば、求職者からの信頼や企業イメージが低下します。

特に人手不足が続く業種にとって、「対策をしていない会社」というイメージは採用面での大きなハンデになります。求職者が企業の口コミサイトやSNSで「ハラスメント対応」について情報を集める時代において、カスハラ対策の有無は、給与水準や休日数と並ぶ「働きやすさ」の判断材料になりつつあります。

つまりカスハラ対策は、単なる法令遵守にとどまらず、従業員定着と採用力強化のための投資でもあるのです。逆に言えば、他社に先駆けてきちんと体制を整え、それを外部に周知すること自体が、採用競争における差別化要素にもなり得ます。


10月1日までに、今すぐできる3ステップ

残された期間で何から着手すべきか。優先順位をつけると、次の3ステップに整理できます。

ステップ1
現状をチェックする 方針・相談窓口・対応フローがそれぞれ「ある/ない」を洗い出します。何が整っていて、何が抜けているのかを可視化することが出発点です。

ステップ2
方針・体制を整備する 方針を明文化し、相談窓口を設置・周知します。既存の社内規程やハラスメント防止方針に追記する形でも対応可能です。

ステップ3
運用ルールをつくる 発生時の対応フローを整え、管理職に周知します。誰が一次対応するのか、どこまでをエスカレーションするのかを明確にしておくことがポイントです。実際に起きた場面を想定したロールプレイング形式の研修を取り入れると、管理職・現場双方の「いざという時の動き方」が格段に明確になります。

これら3ステップは、どれも大がかりなシステム投資や大幅な人員追加を必要とするものではありません。既存の就業規則や相談窓口の仕組みに手を加える形で、多くの企業が1カ月程度で対応可能です。むしろ重要なのは「何から手をつけるべきか」の優先順位を誤らないことです。

私たちNMR流通総研は、50年の支援実績と1,200社以上のサポートで培った人事制度・組織づくりのノウハウを、このカスハラ対策にも活かしています。方針づくりから相談窓口の設置、管理職向けの対応フロー研修まで、御社の業種・規模に合わせた形でご支援可能です。


よくある質問

Q. 従業員数が少ない会社でも対応義務はありますか?
A.はい。改正法は事業規模を問わず、すべての事業主に適用されます。中小企業だからといって猶予期間が設けられているわけではありません。

Q. すでに社内にハラスメント相談窓口がある場合、別途カスハラ専用の窓口が必要ですか?
A.既存のハラスメント相談窓口をカスハラ対応にも活用することは可能です。ただし、カスハラの相談も受け付けている旨を、従業員に明確に周知しておく必要があります。

Q. 方針の周知は、就業規則への記載だけで十分ですか?
A.就業規則への記載は有効な手段の一つですが、それだけでは「周知した」とみなされない場合があります。社内掲示、研修、イントラネットへの掲載など、複数の手段を組み合わせることが望ましいとされています。

Q. アルバイト・パート従業員にも周知が必要ですか?
A. 雇用形態を問わず全労働者が対象という点と、シフト制職場での周知を工夫することが大切です。

Q. すでに休職者が出ている状態で今から対応しても間に合いますか?
A. 過去事案を対応フロー整備に活かすことが大切です。先送りリスクの方が高いです。

Q. 社労士・弁護士への依頼は必須ですか?
A. 自社作成でも要件は満たせますが、業種特性を踏まえた実効性のある内容にするなら外部知見も効果的な場合があります。

まとめ
カスハラ対策は、2026年10月1日から「対応していて当然」の義務になります。方針の明確化、相談体制の整備、対応フローの整備、この3つが整っているかどうかを、まずは自社でセルフチェックしてみてください。
残り約1カ月。準備は、後回しにできません。


自己診断チェックリスト

以下で、自社の現状をチェックしてください。
まずは着手すべき課題が明確になます。

① 方針の明確化・周知啓発
▢ カスハラを許さないという方針を、社内文書として明文化している
▢ その方針を、全従業員に周知している(就業規則・社内掲示・研修等)
▢ 取引先・顧客に対しても、方針を周知する手段がある(Webサイト・契約書・店頭掲示等)

② 相談体制の整備・周知
▢ カスハラ被害を受けた従業員が相談できる窓口(担当者・部署)を設けている
▢ その相談窓口の存在を、全従業員が知っている
▢ 相談者が不利益を受けない旨のルールを明確にしている

③ 事後の迅速・適切な対応
▢ カスハラ発生時の対応フロー(誰が・何を・どこまで対応するか)を文書化している
▢ 管理職に対応フローを周知し、初動対応ができる状態にある
▢ 従業員の心身のケア(休養・配置転換等)についてのルールがある

診断結果の目安
■9項目すべてチェックが付く
義務対応は概ね完了。運用の定着フェーズへ
■6〜8項目
方針・体制はあるが抜けがある状態。10月までに要補強
■5項目以下
対応が大きく不足。早急な体制整備が必要

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カスハラ法対策は私たちにお任せください。

キャリア豊富なコンサルタント紹介
当社コンサルタントのご紹介

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