[パークシティなばり]
生き残りをかけた共同店舗の取組み
パークシティなばり(名張ショッピングデパート)は、オークワを核店舗として、地元の
商業者が集まり、高度化資金を活用して、共同店舗を平成8年12月11日にオープンし、
今年で創業6年目を迎えています。パークシティなばりがオープン以後、名張市内では、
大型ショッピングセンターが2店舗新規出店し、既存の大型店もリニューアルを行うなど
周辺の商業環境は、大きく変化しています。
このような環境下で、パークシティなばりでは生き残りをかけて新たに戦略を練り直し
ています。
[取り組み状況]
パークシティなばりでは、競合が激しくなる中、協同店舗内では組合員及びテナントの
退店者が出て、その対応に苦慮しながら現在に至っています。このような状況は、全国
の商店街や共同店舗でも同様ですが、特に名張市では大型店の競合が激しく、中小
小売店にとっては厳しい状況にあります。
これまでに県からの診断や公的制度を活用した指導を受けて、いろいろな活性化策を
提示されていますが、自らが分析し、考え出したものでないことから、上手く実行されず
にきました。
このようなことから、自らが現状を知り、分析し、答えを見つけ出していく重要性を認識
し、パークシティなばりでは、生き残りをかけた戦略を作り上げていくことにチャレンジして
います。
しかしながら、資金・人材面の欠しい中小小売店の集まりでは、すべてを自分たちで
行うのは不可能な状態です。そこで、資金面では、三重県産業支援センターより「専門
商店街活性化構想補助事業」を活用して調査研究費を補填し、不足する人材面では
外部の専門家にマーケットデータの分析や競合店調査、来店客へのアンケート調査など
を依頼し、客動線調査や商店主の経営意識調査などの自分たちでできることと専門家
に任せることを分けて取り組んできました。
組合員から若手経営者を選出してプロジェクトチームを結成し、次ページの図表にある
ように現状を知るためにいろいろな調査を行い、その中からプラス面とマイナス面を見つ
け出し、パークシティなばりが目指すべき方向性を探ってきました。
いろいろな調査から、他の大型店と比較して立地面で優位にあることや駐車場の利用
のしやすさ、他の大型店が決して競合ではなく相乗効果が見込めることなどが明らかに
なってきました。自らが調査・分析を行うことにより自分たちのプラス面やマイナス面が
肌で感じられるようになり、図表にあるような目指すべき方向がプロジェクトチームには
見えてきているようです。
幸いにも核店舗であるオークワがテナントに広範囲の集客が期待できる「トイザラス」
の誘致に成功し、4月末に食品関係を強化したリニューアルオープンすることになり、さら
にプラス面の要素も加わり、プロジェクトチームの活動にも熱がはいってきています。
このリニューアルオープンに伴い、共同店舗でも店舗の再配置、ポイントカードも含めた
販促の強化、各店舗のMD強化に向けて動き出しています。
[これからの課題]
図表にあるように取り組まなくてはいけない課題も多く、これらを如何に実現していくか、
大きな課題ではないでしょうか。
特に、個店のMDの強化については、各個店の自助努力に頼るところが多く、意識改革
だけでなく、バックアップ体制の整備も必要となってくるのではないでしょうか。
しかしながら、パークシティなばりでは、自らが作り上げた戦略であることから今までに
ない推進体制が出来上がっていることが特筆すべき点です。
「自らが現状を知り、課題を見つけ、解決策を見出し、さらにステップアップしていく」、この
ような当たり前のステップが出来なかったことに気づき、自分たちでチャレンジしたことが、
今後の活動にも大きく影響を与えると予想されます。
経済環境がさらに厳しくなることが予想される中、共同店舗全体の戦略を新しく見直して、
生き残りをかけていく、4月末のリニューアルオープン後のパークシティなばりを注目して
いきたいものです。
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